◆敵役の田中圭が迫力不足でミスキャスト(45点) © 2009「TAJOMARU」製作委員会 多襄丸(たじょうまる)とは、芥川龍之介の短編「藪の中」に出てくる盗賊で、黒澤明の「羅生門」にも登場するキャラクター。原案は同じだが、まったく別の視点から描いた異色時代劇だ。名門・畠山家の次男・直光は、陰謀により家を追われてしまう。将軍の酔狂や、兄、家臣、許婚の裏切りにショックを受けながらも、直光は、大盗賊・多襄丸からその名前と“浪切の剣”を受け継ぐことに。だが、新しい人生を生きようとした彼には、さらに過酷な運命が待っていた。 一つの事実が、視点を変えて語ることによってまったく違う側面を見せるのが“羅生門スタイル”。この映画は、語る人間が他者が知らない新事実を提供することによって、人間の業を表現する、変形・羅生門スタイルと言えようか。信頼、友情、忠誠心。すべてが不確かな世界で、主人公がただ一つ信じたものが愛だったという設定が、裏切りの物語に、恋愛青春映画の雰囲気を与えている。だが、敵役の田中圭が迫力不足でミスキャストだ。あのボンヤリした顔では、剣豪で頭脳明晰な野心家に
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Sep
21
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